約 301,182 件
https://w.atwiki.jp/xxxxxxx/pages/8.html
「菖駁様、申し上げにくいのですがそろそろ下山なさってはどうでしょう?」 しばらく夢心地になっていた俺に響紺が言う。 「そ、そうだな・・・・・」 すでに夜空には満天の星が輝いていた。夜の寒さも一層増し、腹をすかしている俺にとって相当に厳しい環境である。 とにもかくにも俺と響紺は下山し始めた。 「急いでください。この辺りは野生の族が・・・・」 そういって響紺は突然足を止める。よく見ると響紺の耳が小刻みに震えていた。何を探っているのか俺には分からないが、響紺は俺の耳もとで何かが近づいてきているのを教える。 「誰だ!?」 背後に強い殺気を感じ俺は突如振り返って言った。 「菖駁様、野生の族が現れました・・・・」 そういわれ俺は辺りを見回す。するとあちらこちらに腹を空かした獰猛な野生の狼がこちらを睨み付けていた。 しばらくの沈黙が過ぎた後、先に動いたのは野生の狼のほうであった。 「きやがった!」 野生の狼の内の一匹が飛び出すと周りにいる数十頭の狼も同時に襲い掛かってくる。しかし響紺は冷静だ。 「菖駁様、我にお任せを」 「何っ!?」俺は驚いた。あれだけの数を響紺一匹で相手をするなど無茶だと俺は響紺に言う。 「神風飛翔鶴よ、神風を熾せ、大響界神風!!」 響紺がそう言い放つと唐突に凄まじい突風が吹きつけ、周りの狼達は皆吹き飛ばされた。 「す、すげぇ・・・・(この狼、ただの狼じゃねぇ・・・・・)」 俺はその光景に驚くばかりである。それから響紺は振り返って、 「この神風飛翔鶴の業も菖駁様が直々に我にお教え下さった・・・・この業を使うと、菖駁様のことを色々と思い出してしまいます・・・・」 それを聞くと俺の胸のうちは急に苦しくなった。このように純粋な彼の心を裏切るようなことをしてしまった俺は自分を責める。 「菖駁様、どうかなさいましたか?」 俯く俺に響紺は優しい言葉をかけてくれた。それを聞いて余計に自分を責める気持ちは大きくなる。しかし、俺はそれを出来る限り顔には出さず、隠し通そうと笑顔で、 「なんでもないよ。さぁ、帰ろう」 「はい」 しかし、帰ろうとは言ったもののどこに帰ればよいのかは自分自身では分からない。とにかく急ぎ足で斜面を下りる響紺のあとについてゆくこととした。響紺は時々振り向いては俺を気遣い、下りるペースを変えてくれたりと、この狼がもとの主人をどれだけ愛しんでいたかが解る。 しばらくすると、俺と響紺の目前には広大な屋敷があった。おれはまさか、と思い響紺に「ここだよな、俺たちの家は?」と聞くとやはり響紺は「はい」と答える。 その余りある広大さに俺はいかに菖駁が凄い人なのかを知った―――。
https://w.atwiki.jp/xxxxxxx/pages/23.html
「響紺!!」俺は訳も分からず響紺の名を叫んだ。 そして、爆発音の後、核爆発級の凄まじい爆風が辺りの木々と俺と燈華を宙に放り出す。 丁度、運悪く崖のほうに吹き飛ばされた俺はそのまま、数百メートル下の地面に吸い込まれるように落ちてゆく。 「(俺、もうダメなのか・・・・・。こんな世界で死ぬのかよ・・・・・)」 そんな考えが頭を過った時だ。 「あきらめるな、薫!」 響紺の声が確かに聞こえる。そして何時の間にやら俺は宙を舞う白毛の狼の背に乗っていた―――。 「こんなところで死ぬなんて、お前らしくないぞ。薫」 その勇ましい声が俺の負の感情に打ち勝つ。そしてようやく自分の置かれている状況を把握する俺。こいつは響紺だ。宙を舞うだなんて普通は考えられないが、現実なのか非現実世界での出来事なのだから決して疑わしくはない。 現に俺は助かっているのだから。響紺のきめ細かい体毛が心地よい、そう感じているのだから。 「響紺・・・・・お前、俺を・・・・・」 「我、響紺は主人を見捨てるわけにはならないのだ。燈華も無事だ」 響紺は俺に燈華の安否を説明した。 「それで、さっきの爆発は?」俺はあの時、最も亘に近づいていた響紺に爆発の原因と亘の安否を尋ねる。 「爆発の原因は我の霊力と彼の霊力がぶつかった為に発生した。彼は・・・・・爆発に巻き込まれた可能性が高い。下手をすれば・・・・・」 響紺はそれ以上話さなかった。きっと響紺の口からは言うことが出来ない言葉なのであろう。 俺は少し考えてから、響紺に亘のもとへと俺を連れてゆくように言った――――。 先ほどの場所には医者と見られる男と人化した燈華がいた。きっと燈華が医者を呼びに言ったのだろう。俺は燈華に心で礼を言った。 「・・・・・・とりあえず、二日三日すれば治るであろうな・・・・・」医者はそう呟く。否、 「薫! 貴様何処に・・・・・・」 彼はすぐに起き上がった。これには医者も驚いている。 俺は殺気立つ亘に無言で手を差し伸べた。 「亘・・・・・お前はそんな奴じゃない。もとの自分に戻るんだ。優しくて、面白くて・・・・・俺のなによりの親友に・・・・・」 亘はいつの間にか、先ほどより遥かに純粋な眼で俺を見ていた。 「亘・・・・・・」 俺と亘は再び手を握り合う。その時、すでに陽は沈みかけていた。 だが、俺たちはその後に起こる大事件を知る由はなかった――――。
https://w.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/1876.html
105 :黒い陽だまり ◆riLyp5qrlZvj :2010/09/14(火) 22 08 09 ID X+WXGXmG 龍治さんと話した後、僕は結局会社には戻らず、そのまま家に帰った。 到底、会社で仕事の続きをするような気分にはなれなかったからだ。 家路についている間、僕の頭の中は様々な思考が錯綜した末、完全な混乱状態となっていた。 薬物中毒の奏者と壊れたピアノでも、もうちょっとまともな旋律を聞かせてくれることだろう。 「慣れ」は、人間が持つ最も有用な能力の一つと言える。 慣れによって人は、安月給に耐え、狭い家に堪え、社会への不満を抑え、先の見えない現状を受け止め、混乱する政府を受容し、鼠が踊る遊園地に満足するようになる。 そして、今僕を無意識のままに愛しの我が家へと導いてくれたのも、他ならぬ慣れの賜物だ。 実際の所、僕には帰り道の記憶がほどんど残っていなかった。電車に乗った記憶すら曖昧だ。 「あれ、今日は随分早いね。どうしたの?」 リビングに入ってくる僕を見た美香は、意外そうな声でそう言った。 「いや、今日は珍しく仕事が早めに終わったんだ」 「ああ、そうなの。じゃあ、ちょっと早めに夕飯作るね」 「分かった。頼むよ」 僕は飲み会などの特別な用事がない限り、あまりより道はせずにまっすぐ家へと帰るようにしていた。 だから、家に着く時間は毎回ほとんど一定だ。 美香が夕食を作る間、邪魔にならないよう果林の相手ができる時間帯を選んでもいた。 美香が夕食を作っている間、僕は少し緊張気味に果林と遊んだ。 幸いにも朝のように、果林に彼女の影を感じることはなかった。 そこにいるのは、確かに僕の愛娘だ。 僕は安堵の息をついた。 受話器が耳障りな音で鳴り出したのは、午後10時ごろのことだった。果林は既に布団の中で、美香は風呂に入っている。 僕はその時、リビングでソファの上に横たわり、煙草をぼんやりと吸っていた。 僕は、煙草を片手に受話器を取った。 「もしもし」 「おう、晃文か。俺だ俺、竹井だ」 竹井昇。 高校、大学と僕と同じところを出ている友人だ。 彼女のことももちろん知っている。 不器用ながらも情に厚く素朴な性格で、誰からも嫌われたことが無いような男だった。 他人の悪意や、理不尽な不幸の存在を知らない人間。 僕はそんな印象を持っているけど、だからといって彼を嫌っている訳ではない。 むしろ、そういう生き方を貫けている彼のことを、ちょっと尊敬してさえいた。 「ああ、お前か。ちょっと待ってくれ、灰皿取ってくる」 「何だ、まだ煙草吸ってるのか?」 「大した量じゃないよ。それに時々だ」 家ではあまり吸わないようにしていたけど、今日は色々あったせいか、気がついたら口にしてしまっていた。 やはり、多少平常心を失っているようだ。 「吸ってるんなら同じことだよ。ほら、『煙草は緩やかな自殺だ』とか、よく言うだろ。やめといたほうがいいって」 昔から、彼は大変な嫌煙家だった。 「ああ、そうだな。考えとくよ」 反論するのも面倒で、僕はとりあえずそう言っておいた。 だけど、緩やかな自殺じゃない人生なんて、一体どこにあるというのだろう。 どういうわけか、彼はそれが存在していることを絶対的に信じているようだ。 死は、常に自分とはかけ離れた場所にあるとでも思っているのかもしれない。 そうだとしたら、彼はどうやって、毎年正確に歳を重ねていく自分自身と折り合いをつけているのだろう。 僕には見当もつかなかった。 106 :黒い陽だまり ◆riLyp5qrlZvj :2010/09/14(火) 22 09 22 ID X+WXGXmG 「ところで、突然何なんだよ」 「いや、久々に声が聞きたくなってな」 彼は、少しうわずった声で言った。 これほど分かりやすい人間も、そうはいないだろう。 「他に用事があるんだろ?彼女のことじゃないのか?」 訂正する猶予を与えるための間を少し空けた後、僕はしょうがなくそう言った。 僕がそのまま気付かないふりをしたなら、彼はおそらく、本来の用事を告げられないまま通話を終えていただろう。 「ああ、何だ、分かってたのか。まあさすがにばれるわな」 電話だから当然顔は見えないけど、彼が苦笑している図は簡単に想像できた。 「もう、10年経ったんだな」と彼は感慨深げに呟いた。 もう、10年。まだ、10年。どちらの表現が正しいのか、僕は未だに分かっていない。 我ながら、未練がましいことだ。 「墓には、行かないよ」 自分で思ったよりも幾分冷たい声が、僕の口から飛び出してきた。 「そう意固地になるなって」 彼の言う通り、少し意地になっているのかもしれない。 だからといってそれは、墓参りに行くかどうかとはまた別の話だ。 「急にどうしたんだよ。今までそんな電話、寄こしたことなかったじゃないか」 最初は龍治さんから頼まれたのかとも思ったけど、龍治さんは、確かに諦めると僕に誓った。 龍治さんは、そんなことを言った後に、人づてに頼むなんてことはしない人だ。 「いや、な」と彼は少し言いよどんだあとに言った。「実は、今朝夢に出てきたんだよ」 何が?と聞きそうになって、僕はその言葉を飲み込んだ。 会話の流れからして、彼女以外にはありえないだろう。 「別に何を言うわけでもないんだよ。ただ、ずっとこっちを見てるんだ、あの綺麗な眼で。それがどうにも頭から離れなくてさ。思わず、」 電話したんだ、と彼は言った。 朝には娘に彼女の面影を重ね、昼には彼女の姪に彼女の面影を重ね、夜には彼女の夢を見た友人から連絡が入る。 まるで、死者である彼女が、何らかの方法で現世に帰ってきたかのようだ。 今日はお盆か何かだったのだろうか。 思わず壁にに目をやったものの、そこには、お盆なんてとっくに終わりましたよ、とでも言いたそうに九月を指し示したカレンダーが、ぽつんと寂しげに掛かっているだけだった。 今度、横に何か絵でもかけてやろう。 僕はそう心に決めた。 「なあ、墓に行きたくないのは分かったよ。無理強いする気もない。でも、一つだけ聞かせてもらっていいか?」 「何だ?」 「あのさ。死ぬ前のあいつと、死んだ後のあいつ。今のお前にとっては、どっちの方が大きいんだ?」 僕は、何も答えられなかった。 死ぬ前と、死んだ後。 どちらも、計りようもないほどに大きすぎた。 もっと言えば、僕の中で、彼女はまだ死んでいないのかもしれない。 彼女の死を認めるたくないから、墓を目にしたくないという心理。 その可能性に気づいた瞬間、僕は自分の心の中に、生命維持装置に繋がれ、呼吸だけ続けさせられている彼女がいる姿をイメージした。 もし実際に、そんな状態の彼女が僕の目の前にいたなら。 おそらく僕は、苦悩しながらも、生命維持装置のスイッチを切ると思う。 彼女に意識があったなら、そんなふうに生きながらえることを望みはしないだろうから。 なら、僕の心の中の彼女に対しても、同じことをした方がいいのだろうか。 分からなかった。 107 :黒い陽だまり ◆riLyp5qrlZvj :2010/09/14(火) 22 10 41 ID X+WXGXmG 「いや、悪い。こんなこと聞いたって、答えられねえよな」 しばらく沈黙が続いたあと、彼は慌てたような早口でそう言った。 僕が、機嫌を悪くしたと勘違いしたらしい。 「もう切るぞ」 少し一人になりたかったのもあり、僕は彼の勘違いに乗る形でそう言った。 「ああ、分かった。じゃ、また今度」 彼はそう言って電話を切った。 僕はその後しばらく受話器の前に立ったまま、どんな絵を壁に掛けるかについて色々と悩んでみた。 よし、草原の風景画にしよう。 僕がそう決めたのは、それから数分後のことだった。 その日の夜、僕は布団の中で考えていた。 これから僕が考えることは、全て妄想だ。 それがもし妄想じゃなかったとしたら、僕が今まで地面と思って歩いてきた大地が、地面ではなかった、ということになる。 そんなことはありえない。妄想は妄想でしかないはずだ。 まず、彼女が死ぬ前に言っていたあの言葉、あれは「転生して僕と結ばれたい」という意思表示で、実際に彼女の転生が行われたとする。 これで前提条件は整った。さあ、思考を始めるとしよう。 仮説1。彼女は果林に転生した。 根拠は、彼女と果林がかなり似ていることと、今朝の夢だ。 血の繋がっていない果林と彼女が、あれだけ似ているのだ。関連付けて考えたくもなる。 ただ、夕食前に遊んでいるときは、彼女の影を感じなかった。 また、彼女と重なって見えたのも今日が初めてだ。 人格だって彼女と同じとは思えない。 転生しているとしても、果林が完全に彼女そのもの、というわけではなさそうだ。 仮説2。彼女は希ちゃんに転生した。 いや、彼女が死んだときには既に希ちゃんは生まれていたから、転生というよりは乗り移ったと言ったほうが近いかもしれない。 今日見た希ちゃんの写真は、ほとんど彼女そのものだった。 正直、日曜に会うのが少し怖いほどだ。 しかし、彼女が死んだ後、何度も希ちゃんと僕は会っている。 その時も希ちゃんは彼女に似ていたけど、今ほどではない。 乗り移るまでに、何年かのタイムラグがある。 多少不可解な話だ。 仮説3。彼女の魂が二分され、二人に転生した。 あくまで妄想とはいえ、あまり考えたくない仮説だ。 しかし、これなら二人とも彼女に似ていることの説明がつくし、二分されたせいで、二人とも完全に彼女の人格にはなっていない、とも言える。 あれでもない、これでもないと、まるで転生そのものが事実であるかのように悩みながらも、僕は自分でも気付かないうちに深い眠りに入っていた。 その日の夢には、彼女も果林も希ちゃんも出てこなかった。 繋がれる者のいなくなった生命維持装置が、主を求めるようにぽつねんと横たわっている。 ただそれだけの夢だ。 僕は生命維持装置の前で立ちすくみながら、考えた。 もし。 もし、そこに繋がれていたのが彼女だったとしたら、彼女は一体、どこにいったのだろう。 思考がそこまでたどり着いた所で、僕は唐突に夢から覚めた。 朝だ。今日も朝が来た。これまでと、何も変わらないはずの朝が。
https://w.atwiki.jp/hyon/pages/85.html
398 名前: ◆L97/kAofk2 [] 投稿日: 2006/08/20(日) 21 20 31.67 ID BezNUasJ0 友1~5「( ゚д゚ )」 男「こっちみんな。な、なんだお前ら……///」 女「どう?」 友1~5「GJです!!」 友1「いやーあれが男とはな」 友2「普通にかわいいな」 友3「誰か付き合っちまえw」 友4「鬼才現る」 友5「よしじゃあ俺が立候ホォォーーウっぐはっ!?」 友1~4「友5ぉぉーーー!!??」 男「好き勝手言ってるといい加減怒るぞ……」 友1「いや今殴り倒したし」 友2「さすがスポーツやらせたらなんでもできる男」 友3「今は女だけどなw」 友4「修羅場wktk」 友5「……ハァハァ……この体勢ならパンツ見えうぼぁっ!?」 友1~4「友5ぉぉーーー!!??」 女「どう、友君は?」 友「はは……下着まで着せたんだ」 女「やるからには徹底的にやらないと!」 友「(ご愁傷様。俺君)」 399 名前: ◆L97/kAofk2 [sage] 投稿日: 2006/08/20(日) 21 21 34.70 ID BezNUasJ0 男「ったく、こいつらがこんな変態ぞろいだったとは……」 女「あらら、全滅だね」 友「やりすぎじゃない?」 男「すぐ復活するだろ。そんな気がする」 友「ハハハ……///」 男「? 何お前赤くなってるんだよ?」 友「え、いや……別に……///」 女「ほら、友君って女の子と話すの苦手っぽいじゃん」 男「いやでも、俺だぞ?」 友「そんなこと言ったって……その、かわいいから……//////」 男「なっ!?//////」 女「おー、いうねぇ、友君♪」 友1「あのペアにはかなわないな」 友2「11年の付き合いらしいからな」 友3「ほんとお似合いだよーw」 友4「馴れ初めkwsk」 友5「………………」 男「うっせー!友、お前も言い返せ!」 友「え、あ……その……」 男「あーもう!女!練習すんだろっ!」 女「そうだねー。それじゃみんな、また後で体育館で」 友1~5「おうっ!」 友「………………」 400 名前: ◆L97/kAofk2 [sage] 投稿日: 2006/08/20(日) 21 22 16.49 ID BezNUasJ0 女「というわけでバレーの練習始めるよ♪」 男「どういうわけだ?……はぁ、とりあえずうちの学校がブルマーなんて採用して無くてよかったよ」 女「ちゃんと用意しといたんだけどなぁ」 男「普通の体操着で十分。これなら男子のと大差ないしな」 男「(とは言ったものの……お尻がピッタリしてたり胸部が圧迫してたり……違和感だらけだ)」 女「みんなー、始めるよー」 男「はっ!ってあれ……痛っ」 女友「ちゃんとアタックしろー。ヘディングはバレーにないんだぞーw」 男「う、うるさいっ!」 男「こっちか……あうっ!?」 女友「レシーブミスっても、胸あれば痛くないか?w」 男「痛いっつーの……」 女「おかしいなぁ……男君、バレーも上手かったと思うんだけど……」 変態「おそらく、体のせいだろうな」 女「あ、先生」 変態「筋肉の低下などもあるだろうが、体が自分の思うように動かないんだろう。男と女では骨格も違うからな」 女「そんなー……」 変態「まぁ慣れるだろう。頑張るよう言っといてくれたまえ」 女「わかりましたー」 401 名前: ◆L97/kAofk2 [sage] 投稿日: 2006/08/20(日) 21 22 54.24 ID BezNUasJ0 男「はぁ、はぁ……駄目だ、もう動けない……」 女友「そろそろ終わりにするか」 女「そうだね。みんなー、お疲れ様ー」 友1~5「ノシ」 友1「って俺らまとめられてる!?」 女「そういえば飲み物あるよ」 友「これ、男君の分」 男「サンキュー。……あー、生き返る」 男「しかし……俺こんな姿じゃ帰れないぞ」 女「それもそうだね。私たちの誰か連れてく?」 男「女子の家に泊まるなんて、どうやって親に言えばいいんだよ」 女「うーん」 402 名前: ◆L97/kAofk2 投稿日: 2006/08/20(日) 21 23 29.84 ID BezNUasJ0 男「なぁ、友。お前んち泊めてくれないか?」 友「えっ、うち!?」 男「何度か泊まったこともあるしいいだろ?」 友「あ、でもそれは前だからで、……えっと、だ、駄目じゃないけど!駄目だって!!」 男「慌てすぎだろ……何言いたいかわからなくなってる……」 友「いや、だって、俺君今女の子になってるし、僕こそ親になんて言えばいいか……」 男「大丈夫だって。おばさん、基本マイペースだし」 友「でも……」 男「なんなら「彼女です」とでも言っておいてくれればいいから。とにかく頼む!」 友「彼女って!?……わ、わかったよ」 女「男君、積極的になったね♪」 男「いやもう、今日は疲れた……寝たい……」 女「友君、襲っちゃ駄目だよー」 友「お、おそっ!?」 男「ないだろ。あんま友いじめるなよ」 女「ふふっ」 友「…………///」 403 名前: ◆L97/kAofk2 投稿日: 2006/08/20(日) 21 24 15.61 ID BezNUasJ0 女「それじゃあ明日ね」 男「ああ」 友「お休みー」 女「お休みー」 友「ほ、本当に来るんだよね?」 俺「そのつもりだけど?俺に野宿しろって言うのか?」 友「まままさか!うん、じゃあ行こう」 俺「よっし!久しぶりにゲームやらせてくれよー」 友「疲れたんじゃなかったっけ?」 俺「俺があれくらいで疲労困憊するはずないだろっ!」 友「はぁ」 俺「でも友、俺女になって態度変わりすぎじゃないか?」 友「そ、そうっ?」 俺「お前は変わらないで接してくれると思ったんだけどなぁ」 友「……うん、ごめん」 俺「あ、別に怒ってるわけじゃないけど、さ。ちょっと驚いて」 友「……しょうがないじゃん……」 俺「ん?なんか言った?」 友「べ、別に何も!」 俺「そっか」
https://w.atwiki.jp/shachozero/pages/23.html
271 :社長の使い魔 ◆.H42NtoyGg:2007/12/03(月) 00 54 15.58 ID uQnAbl0z0 第三話 青眼の怒り ~ヴェストリの広場~ , --- _ / ,. - , ー 、 i / / 、 ヽ ヽ ン´./ { /ヽ、 |、 _ゝ ヽ. i i,ィ / ト‐{-、 ヽノ 乏i.、 | | ヽト、 ヽ〈下j └ ヽi { / ー- 、.,、 ヾ、ヽ ´ ! 〉ヽ=、 ,-──┘ __、,、 ,、 ノ⌒ヽゞ_ゝ-─ フ ̄レ 「逃げずに来たことは、褒めてやろうじゃないか」 /ヽ `ヽ、! ヽ (ヽ .| |〃ム薔ラ冫 コー- ヽ〈 ヽ_ / / 心 ヾj .ヽヽj |` =ヽ/ /ヽ / ) \;;;;;ー、 ./ く 弋ノ |_, -‐、(ヾヽ ン /´ _ /`ー /‐ / ヽ;;;;;;;i >-、 ,- _, - .ヽ` ーン. j-‐ ´cヾ____/ィ--、___ヽ;;;;;| ヽ /-、,─< ̄`ヽ、 /ー 、--、./ ,.ィ;;;;;;;;;;;;∧ー┬‐ァベ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| ー ヽ \ `ヽ、 `ヽ___/ ヽ .\/| | ./ .|;;;;;;;;;;;/ヽ , ┴ /_ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、 Vヽ、 ヽー 、 ヾー-ヽ  ̄\ヾァ- .| |/ /;;;;;;;;;/ーヘ /、__ ノ \;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;}  ̄  ̄` .7} .| | /;;;;;;;;ノ{ニー// ̄∧ノ /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;{ ヾ、土 | | /;;;;;;; 厶Y//ーv /;;;;;;;;;;;;;、;;;;;;;;;;;;;;| ヾ_くt-ヽ ;;;;;;;;;;| ト,ノ | | ` /;;;;ィ ´ ヽ;;;;;;;;;;;;| ~~´|;;;;;;;;;;;;| ト ´| |Y、 /イ | \;;;;;;| |;;;;;;;;;;;;j ヽ、.| |、_/ ヽ. | | /;;;;;;;| 284 :社長の使い魔 ◆.H42NtoyGg:2007/12/03(月) 00 56 15.91 ID uQnAbl0z0 ,. -‐ 、. /  ̄`~` ‐ 、 / ` ` ‐、 / `‐、 / \ , \ / ! \ / l ! | i . / , │ l l ! | │ / /./ | │ l 、 | | | , | .l ! . / / /l ! l | | | \ !|l | / | | ! / / ./ ! | l l | | ヽ. ヽ\ \ ヽ. ヽ. |│/ヽ| ! l ! 「ふぅん。それはこちらの台詞だ馬の骨 ` ‐ 、| l ヽ. ヽ.ヽ. ! l\\`‐、ヽ、\ヽ.| レ /ヽヽl ! ! もっとも俺は貴様の面を見ると吐き気がするがな . `‐、| 、ト、__\ 、 ヽ. l トーz、-‐ラ フヽ!|!/_,ゝヽ }. |│ ……ふぅん。はじめるか」 \ヽl\`ー ヽ、\ヽ ∨ー`‐← ||!-、-、 /! |│ ヽト. ´ ̄ジヽN` -ゝ |! リ /|.| | | ! \ _iー | |.| | | |\. \ r‐== ヲ |  ̄`~` ‐ - 、 | ` ー-ヽ、 V r -‐ / .| | | `‐、 `ー- ./| , -.、 | | `‐、 / .| { {lll}} f{! _ _,,. 、-‐ | `エ´-─ー| ` ー ゞ ´ ヽ` ー- |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| / 289 :社長の使い魔 ◆.H42NtoyGg:2007/12/03(月) 00 57 06.06 ID uQnAbl0z0 , -─- 、 , -‐- 、 ,, - `V `‐、 / \ ./ \ / ヽ ./ / l ヽ / / / / ./ / l | .l .lヽ | l. l / / / ./ .l | | l / / l l.〉 l、 | | l / / ./ ./ |. l | ./ ./ ./ | |./ l、| | l // ///| l / / //// / / . l、l | /l///_/ l / //_|/_∠| / | / . /⌒ヽ | \ `ー ゝl // `ー /|/⌒v 「俺のターン!!!! | l⌒l l|  ̄ ̄ //|〉 ̄ ̄ ̄ .|/^_l.l ドロー!!!!」 ヽゝ(ー| /| ´ \| ll ),l ノ lヽ_ / | ┌───7 /._/ .l/ | l ̄ ̄ ̄/ / / ,ノ! / |.. V´ ̄∨ ./ /,.-‐ .| ./ (;;) |\ `ー‐ ´ / / | | _|_\ /| ./ | (| ,.-‐ | \__/ .|/ _,.-─; |/ .(;;) |─────┤ _,.-‐ /  ̄ | |^l / 297 :社長の使い魔 ◆.H42NtoyGg:2007/12/03(月) 00 57 46.60 ID uQnAbl0z0 , --- _ / ,. - , ー 、 i / / 、 ヽ ヽ ン´./ { /ヽ、 |、 _ゝ ヽ. i i,ィ / ト‐{-、 ヽノ 乏i.、 | | ヽト、 ヽ〈下j └ ヽi { / ー- 、.,、 ヾ、ヽ ´ ! 〉ヽ=、 ,-──┘ __、,、 ,、 ノ⌒ヽゞ_ゝ-─ フ ̄レ 「……は?」 /ヽ `ヽ、! ヽ (ヽ .| |〃ム薔ラ冫 コー- ヽ〈 ヽ_ / / 心 ヾj .ヽヽj |` =ヽ/ /ヽ / ) \;;;;;ー、 ./ く 弋ノ |_, -‐、(ヾヽ ン /´ _ /`ー /‐ / ヽ;;;;;;;i >-、 ,- _, - .ヽ` ーン. j-‐ ´cヾ____/ィ--、___ヽ;;;;;| ヽ /-、,─< ̄`ヽ、 /ー 、--、./ ,.ィ;;;;;;;;;;;;∧ー┬‐ァベ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| ー ヽ \ `ヽ、 `ヽ___/ ヽ .\/| | ./ .|;;;;;;;;;;;/ヽ , ┴ /_ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、 Vヽ、 ヽー 、 ヾー-ヽ  ̄\ヾァ- .| |/ /;;;;;;;;;/ーヘ /、__ ノ \;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;}  ̄  ̄` .7} .| | /;;;;;;;;ノ{ニー// ̄∧ノ /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;{ ヾ、土 | | /;;;;;;; 厶Y//ーv /;;;;;;;;;;;;;、;;;;;;;;;;;;;;| ヾ_くt-ヽ ;;;;;;;;;;| ト,ノ | | ` /;;;;ィ ´ ヽ;;;;;;;;;;;;| ~~´|;;;;;;;;;;;;| ト ´| |Y、 /イ | \;;;;;;| |;;;;;;;;;;;;j ヽ、.| |、_/ ヽ. | | /;;;;;;;| 322 :社長の使い魔 ◆.H42NtoyGg:2007/12/03(月) 00 59 51.62 ID uQnAbl0z0 ,. ´ ̄ ` 、 /`´ \ / 、 `ヽ、 / / !ヽ i i i | / / ,|/⌒、 | ハノ !`´ i 、\灯`|ノi / 「ちょっとあんた、カードなんか引いて何する気? 人,ノ! i ト、.\. | .i/ >`ー- 、_ これは決闘なのよ? 命を賭けた戦いなのにずいぶんと余裕ねぇ」 / ∧i, |ヽ ̄ / ∨ ` ‐ 、 `ー´ / .ハ\ k. フ/ , `ー、 ;ヘ _,./ / i |\ トイ ! /ゝ、 ヽ; /! ヘ ./ ./ ー.j |―\!v ⌒ヽ;/´ ` -、i / ./ i / / i ム ,ノ / ヽ r ´ / | .| /. |,.- ´  ̄`ヾ; / ∨ i | / i ,! ヘ、_ _ ,.-, / ノ 、 ,/ i / | .r _`__ ∨イ.〉´ , く_/´ / / !/ ヽ ト、 _,.-y´//_ ,.- く,i `v、 / / ;/ ノ .人ゝ._,.ノ_,/ i ヽ、 iク / / / ー / i ヾ´ / 342 :社長の使い魔 ◆.H42NtoyGg:2007/12/03(月) 01 02 10.54 ID uQnAbl0z0 ,. -‐ 、. /  ̄`~` ‐ 、 / ` ` ‐、 / `‐、 / \ , \ / ! \ / l ! | i . / , │ l l ! | │ / /./ | │ l 、 | | | , | .l ! . / / /l ! l | | | \ !|l | / | | ! / / ./ ! | l l | | ヽ. ヽ\ \ ヽ. ヽ. |│/ヽ| ! l ! 「……まさかとは思うが貴様ら、実際の殺し合いを決闘と呼んでいるのではあるまいな? ` ‐ 、| l ヽ. ヽ.ヽ. ! l\\`‐、ヽ、\ヽ.| レ /ヽヽl ! ! ふぅん。俺はそれでもかまわんが命の保障はしてやれんぞ」 . `‐、| 、ト、__\ 、 ヽ. l トーz、-‐ラ フヽ!|!/_,ゝヽ }. |│ \ヽl\`ー ヽ、\ヽ ∨ー`‐← ||!-、-、 /! |│ ヽト. ´ ̄ジヽN` -ゝ |! リ /|.| | | ! \ _iー | |.| | | |\. \ r‐== ヲ |  ̄`~` ‐ - 、 | ` ー-ヽ、 V r -‐ / .| | | `‐、 `ー- ./| , -.、 | | `‐、 / .| { {lll}} f{! _ _,,. 、-‐ | `エ´-─ー| ` ー ゞ ´ ヽ` ー- |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| / 364 :社長の使い魔 ◆.H42NtoyGg:2007/12/03(月) 01 03 57.28 ID uQnAbl0z0 , --- _ / ,. - , ー 、 i / / 、 ヽ ヽ ン´./ { /ヽ、 |、 _ゝ ヽ. i i,ィ / ト‐{-、 ヽノ 乏i.、 | | ヽト、 ヽ〈下j └ ヽi { / ー- 、.,、 ヾ、ヽ ´ ! 〉ヽ=、 ,-──┘ __、,、 ,、 ノ⌒ヽゞ_ゝ-─ フ ̄レ 「ふ……ふふ。僕もなめられたものだ。 /ヽ `ヽ、! ヽ (ヽ .| |〃ム薔ラ冫 コー- ヽ〈 ヽ_ 行け! ワルキュ」『パァン!!!!』 / / 心 ヾj .ヽヽj |` =ヽ/ /ヽ / ) \;;;;;ー、 ./ く 弋ノ |_, -‐、(ヾヽ ン /´ _ /`ー /‐ / ヽ;;;;;;;i「……え?」 >-、 ,- _, - .ヽ` ーン. j-‐ ´cヾ____/ィ--、___ヽ;;;;;| ヽ /-、,─< ̄`ヽ、 /ー 、--、./ ,.ィ;;;;;;;;;;;;∧ー┬‐ァベ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| ー ヽ \ `ヽ、 `ヽ___/ ヽ .\/| | ./ .|;;;;;;;;;;;/ヽ , ┴ /_ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、 Vヽ、 ヽー 、 ヾー-ヽ  ̄\ヾァ- .| |/ /;;;;;;;;;/ーヘ /、__ ノ \;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;}  ̄  ̄` .7} .| | /;;;;;;;;ノ{ニー// ̄∧ノ /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;{ ヾ、土 | | /;;;;;;; 厶Y//ーv /;;;;;;;;;;;;;、;;;;;;;;;;;;;;| ヾ_くt-ヽ ;;;;;;;;;;| ト,ノ | | ` /;;;;ィ ´ ヽ;;;;;;;;;;;;| ~~´|;;;;;;;;;;;;| ト ´| |Y、 /イ | \;;;;;;| |;;;;;;;;;;;;j ヽ、.| |、_/ ヽ. | | /;;;;;;;| 391 :社長の使い魔 ◆.H42NtoyGg:2007/12/03(月) 01 05 25.85 ID uQnAbl0z0 ,. -‐ 、. /  ̄`~` ‐ 、 / ` ` ‐、 / `‐、 / \ , \ / ! \ / l ! | i . / , │ l l ! | │ / /./ | │ l 、 | | | , | .l ! . / / /l ! l | | | \ !|l | / | | ! / / ./ ! | l l | | ヽ. ヽ\ \ ヽ. ヽ. |│/ヽ| ! l ! 「どうした。デリンジャーがそんなに珍しいか」 ` ‐ 、| l ヽ. ヽ.ヽ. ! l\\`‐、ヽ、\ヽ.| レ /ヽヽl ! ! . `‐、| 、ト、__\ 、 ヽ. l トーz、-‐ラ フヽ!|!/_,ゝヽ }. |│ \ヽl\`ー ヽ、\ヽ ∨ー`‐← ||!-、-、 /! |│ ヽト. ´ ̄ジヽN` -ゝ |! リ /|.| | | ! \ _iー | |.| | | |\. \ r‐== ヲ |  ̄`~` ‐ - 、 | ` ー-ヽ、 V r -‐ / .| | | `‐、 `ー- ./| , -.、 | | `‐、 / .| { {lll}} f{! _ _,,. 、-‐ | `エ´-─ー| ` ー ゞ ´ ヽ` ー- |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| / 425 :社長の使い魔 ◆.H42NtoyGg:2007/12/03(月) 01 06 57.23 ID uQnAbl0z0 , --- _ / ,. - , ー 、 i / / 、 ヽ ヽ ン´./ { /ヽ、 |、 _ゝ ヽ. i i,ィ / ト‐{-、 ヽノ 乏i.、 | | ヽト、 ヽ〈下j └ ヽi { / ー- 、.,、 ヾ、ヽ ´ ! 〉ヽ=、 ,-──┘ __、,、 ,、 ノ⌒ヽゞ_ゝ-─ フ ̄レ 「いいいい、行けっ! 行けっ! ワルキューレ!! /ヽ `ヽ、! ヽ (ヽ .| |〃ム薔ラ冫 コー- ヽ〈 ヽ_ こ、殺されるっ!」 / / 心 ヾj .ヽヽj |` =ヽ/ /ヽ / ) \;;;;;ー、 ./ く 弋ノ |_, -‐、(ヾヽ ン /´ _ /`ー /‐ / ヽ;;;;;;;i >-、 ,- _, - .ヽ` ーン. j-‐ ´cヾ____/ィ--、___ヽ;;;;;| ヽ /-、,─< ̄`ヽ、 /ー 、--、./ ,.ィ;;;;;;;;;;;;∧ー┬‐ァベ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| ー ヽ \ `ヽ、 `ヽ___/ ヽ .\/| | ./ .|;;;;;;;;;;;/ヽ , ┴ /_ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、 Vヽ、 ヽー 、 ヾー-ヽ  ̄\ヾァ- .| |/ /;;;;;;;;;/ーヘ /、__ ノ \;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;}  ̄  ̄` .7} .| | /;;;;;;;;ノ{ニー// ̄∧ノ /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;{ ヾ、土 | | /;;;;;;; 厶Y//ーv /;;;;;;;;;;;;;、;;;;;;;;;;;;;;| ヾ_くt-ヽ ;;;;;;;;;;| ト,ノ | | ` /;;;;ィ ´ ヽ;;;;;;;;;;;;| ~~´|;;;;;;;;;;;;| ト ´| |Y、 /イ | \;;;;;;| |;;;;;;;;;;;;j ヽ、.| |、_/ ヽ. | | /;;;;;;;| 前へ トップページ 次へ
https://w.atwiki.jp/shinatuki/pages/122.html
⑨ポルナレフ だいさんわ 三時間目 ??? 授業開始を告げる鐘が鳴ってから、もう十分が経とうとしていた。 なのに、未だにこの『自習が絶対できないクラス』こと⑨組には担当教師が来ていなかった。 かつてない事態(といってもまだ三時間目だが)にざわつく教室内。 「あたいが調べてくるよ!」「で、出ちゃダメだよ、チルノちゃん!!」 「大丈夫さ。あたいが帰ってくるまで、絶対にここを動かないでね!!」 「死亡フラグなのかー」 露骨な死亡フラグを立て、チルノが教室から出ようとすると、音を立ててドアが開いた。 あわてて席に着く一同、そして入ってきたのは… 「なに、『担当教師が引きこもっていて出てこない』? 逆に考えるんだ、『なら私自身が教鞭を振るえばいいさ』って考えるんだ」 ジョージ校長だった。 一同唖然。 そんな中、ジョージ校長だけが生き生きとしていた。 「じゃあ、はじめようか」 「…あの」おずおずと、窓際の席に座っていた橙が手を上げた。 「何だね、ダイダイ君?」「チェンです、その」 橙は少し不安そうな顔をして、こう尋ねた。 「先生はなにを教えるんですか?」 ジョージは頷き、答える。 「私はここ最近、この学校の風紀が乱れてきていると感じていてね。 それはどの先生も同じ考えらしい。そこでだ」 校長はおもむろに足元にあったダンボールを机の上でひっくり返す。 その中に入っていたのは、縄、ローソク、鞭、エトセトラエトセトラ… また唖然しそれらを見続ける一同。 「私はこの学校の風紀面の『清らかな男女交際』について指導をしていく」 教室の生徒たちは意味がわからない、と色々な道具から顔を上げる。 しかしその目の前にはもっと意味がわからないものがいた。 「さぁ」それは 「遠慮なく」衣服を脱ぎ去り 「私に教『鞭』を振るってくれ!!」ブーメランパンツ一枚となった校長だった。 数分後。 窓際、ちょうど掃除用具箱の隣にジョージ校長は自身の持ってきたロープで吊るされていた。 誰がやったのか、それはまるで亀の甲羅のような規則正しい縛り方だった。 肩で息をする男子生徒たち、涙を浮かべる女子生徒たち。 そんな中でも 「これカワイイ!!あたいのね!!」「ああ、チルノちゃんそれ…」 「?」「ぴ、ぴ、ピンk「ピンポン玉なのかー?」 馬鹿はやっぱり馬鹿だった。 事件はそれでは終わらない。 再び教室の扉が大きな音を立てて開く。 そこに立っていたのは 「皆さん、ごきげんよう」「あ、紫さまー!!」 橙の保護者兼東叙学院校長、八雲紫だった。 「教師がいないと聞いたので、特別に授業をしに来ました」 そう、先程のジョージ校長のように教卓の前に立つ紫校長。 大きく息を吸い込み、前口上を述べ始める。 「私はここ最近、この学校の風紀が乱れてきてるんじゃないかって感じててね。 それはどの先生も同じ考えらしいのよ。そこで」 数分後。 クラスにはもう一体のミノムシが増えていた。 今度は体を簀巻きにするという、オーソドックスな縛り方。 見てるこっちが苦しくなりそうなほどきつく縛られているのだが 「あら、ジョージ先生もいらっしゃったんですか?」 「ああ、やはり最近の生徒は少し荒っぽいな」 などと、二人はかまわず世間話を始めている。 そして、三度扉が音を立てる。 「今度は誰だァーー!!」「また変態かァー!!?」「あたいお腹すいた!」 「もう来ないでーー!!」「そーなのかー」「ダメだ、ダメだ、もうやめてくれェーー!!」「あうー、私の帽子は食べられないよぅ…」 さまざまな思いを各々叫ぶ。 「一体なにを騒いでいるんだ?」 そこに立っていたのは聖職者風の男だった。 男は学園内教会の住み込み神父、エンリコプッチと名乗った。 「私も臨時教諭でね、こうやって彼が…」 ~『あー、校内放送、校内放送。プッチ、腹が減った。今日はハンバーグが食べたい。 繰り返す、このDIOはハンバーグが食べたい』~ 「…」 静まり返る教室内。 「…すまない、皆。私にも用事ができてしまったので、今日はこのプリントをやっていてくれ」 静かにプリントを配るプッチ、そして 「ハンバーグだな… 待っていてくれッ!!わが親友ッ!!DIOォォォーーーーー!!!!!」 そういってまるで時でも加速したような速さで教室から飛び出していってしまった。 残った生徒たちはというと 「クックックックックックッ」「フッフッフッ」 「ホハハハフフフフヘハハハハフホホアハハハ…」 「ノォホホノォホ!」「ゲラゲラゲラアヘアヘアヘ!!」 もう笑うしかなかった。 とぅーびーこんてぃにゅーど? 前へ 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/kenorigin/pages/38.html
Trailer "叡智"に憑かれし探求者 往にし方より来る木陰の妖 かくて役者は揃いたり やがて舞台は、破急へ向かう。 ダブルクロス The 3rd edition 『螺旋階段』現代編第三話 「かつてとこれから」 二つの螺旋は交わりて PC1用秤明天用ハンドアウト ロイス:神埼 莉桜 もはや日々の日課と化した感すらある、莉桜との帰り道。 百年前――怪異が怪異として当たり前に在った頃の存在だからなのだろうか。 彼女との帰り道は、不思議なものによく出会う。 それが良いか悪いかは、別として。 PC2用長月瞳用ハンドアウト ロイス:"ロウ" 君は夢を見ていた。 君の中の、誰かの記憶という夢を。 その夢の中でキミは、誰かの名を呼んだ。 ロウ、と。 PC3クオーリ・ファルマチスタ用ハンドアウト ロイス:漏 一日に十本しか販売されない、なまら高い羊羹を首尾よく手に入れた君。 ほくほく顔での帰り道の途中、突如展開される《ワーディング》。 君がその《ワーディング》の場所へと急行すると、そこに居たのは多数の黒服。 そして、彼らに囲まれた一人の――おそらくは、オーヴァード。 PC4神埼莉桜用ハンドアウト ロイス:幽霊(?)「夕暮れ時に、幽霊が現れる」 そんな噂話を、君は聞いた。 見たものは殺されるとか、呪われるとか。 そんな物騒なものではないらしい。 それを聞いた君は、少しばかり懐かしさをおぼえた。 この時代にも、そんな怪異はまだ在るのだと。 PC5漏用ハンドアウト ロイス:クオーリ・ファルマチスタ 探し物が、あった気がする。 とても大事な、探しものが。 しかし、今それを思い出そうとしている余裕はなさそうだった。 何故なら、君は囲まれていたからだ。
https://w.atwiki.jp/pikuminbunko/pages/126.html
物語第一章・学校編 第三節~ゴングは鳴った~ Aパート ~~~空き地~~~ 「ここなら・・・邪魔は入らない・・・遠慮なく来な・・・」 白箕はその場の数名を挑発し、戦闘意欲を回復させた。 「死ねぇ!!」 鉄パイプを持った男が、白箕に思いっきり殴りかかった。 白箕は何も無かったかの様に、縦に振り下ろされる鉄パイプを横に避けた。 そして、すかさず男の腹を殴り、撃沈させた。 「こんなものか・・・今回も・・・暇はあんまし・・・潰せなさそうだ・・・」 白箕はそうぼやくと同時に、一番左に居た男に駆け寄り、飛び上り、右足で蹴り飛ばした。 そのまま足が地に着くと同時に体をひねらせ、もう片方の足で、右側にいた男を蹴り飛ばす。 「おい、どうした・・・この程度か・・・?つまらん・・・」 残りの二人の男は、一斉に飛びかかり、鉄パイプを振り下ろす。 だが、白箕は地面に落ちていた鉄パイプを上に蹴りあげ、それでガードした。 白箕はそのまま、右の男の脇腹目掛け、強力な蹴りを喰らわせた。 右側の男が吹き飛び、左側にいた男も巻き込まれ、吹き飛ぶ。 「はぁ~・・・もう・・・終わりかよ・・・つまらん・・・」 一方その頃、病室・・・ 妖架は病室の窓から、白箕の戦いぶりを見ていた。 (はぁ~・・・白箕の奴・・・また強くなってやがるな・・・俺もさっさと、退院して・・・アイツに追い付かないとな。) 妖架がそんな思いに耽っていると、病室のドアが勢い良く開き、十数名の男たちにあっと言う間に囲まれてしまった。 「ふぅ~ぃ・・・・こりゃまた・・・こんなに団体さんを招待した覚えは無いんだがな。」 妖架は頭を少し掻きながらそう言った。 「ふざけるなぁ~!」 十数人の男たちの内、一人が、妖架に殴り掛かってきた。 しかし、妖架は殴り掛かってきた腕をそのまま自分の右腕で掴み、引きよせ、左の肘を相手の脇腹に喰らわせた。 男は吹き飛び、壁に叩きつけられる。 「ああ~、もう・・・無理しちゃ駄目って、医者と白箕に言われてんだけど・・・この際しょうがないな。」 妖架は次々と襲いかかってくる男たちを、まるで赤子の様に吹き飛ばしていった。 ある男は、地面に叩き伏せられ、ある男は壁に打ちつけられ、ある男は、天井に吹き飛ばされていた。 「ああ~、疲れた・・・寝よ・・・」 妖架は十数名の男たちを病室のドアから放り出し、ベッドに潜り込んだ。 戻って、空き地 白箕は空き地で、ぼんやり空を見上げていた。 だが、その時病院の一室から物凄い響が聞こえた。 白箕は驚き、音の発生源を探した。 そこは妖架の病室だった。 白箕は急いで、病院へと駆けて行った。 「無事でいろよ・・・妖架・・・!」 ~~~病院~~~ 「妖架!大丈夫か!?って・・・寝てるし・・・まぁ・・・あんな雑魚なら・・・怪我してる妖架でも・・・楽か・・・」 本家・破滅への鎮魂歌~レクイエム~・第三話B
https://w.atwiki.jp/rozen-yuri/pages/292.html
欲しいモノは手に入れたい それは人として普通の事 だが、それぞれ欲しい度合いによって境界線を引き、金銭面や手間を考えて諦める場合も少なくない それも人として普通の事 誰も面倒な事はしたくない 苦労に見合うモノじゃなければ、諦めるのは当然の事だ そういう意味では、私は少し普通とは違ったのかも知れない 金で手に入るモノなら糸目は付けなかったし、友人の所有物なら尚更、どんな手を使ってでも譲ってもらった だけど本当に欲しいモノだから… 100万円する品物でも、100万円貯めるまでに興味がなくなる場合がある でも、その時まで欲しいモノであるならば、貯めた金を一気に使う事に抵抗はなかった それだけの価値が、自分の中にはあるから そしてアナタを、一目見た時から欲しくなった 未だにその気持ちはなくならない だから私は──アナタを手に入れる── 第三話『流されて行き着く先は』 馬乗りになり、両手を押さえつけた 「やっ…先生っ…!」 「大丈夫…私に任せなさい」 「んぅっ…」 口付けをして舌を絡ませる 嫌がってるのが手に取るようにわかるが、同時に逃げられない事と内申の条件が彼女から抵抗する気持ちを奪っている状況も読みとれた 試しに右手を離してみる すると、左腕が自由になったにも関わらず軽い抵抗をするだけに留まった 「んっ…ふっ…」 「ぅ…くっ…」 体液の交換をしながら、こちらも自由になった右手で制服のボタンを外す アンダーシャツをたくし上げると、薄い青のブラと対面した 「先生っ…やだっ…!」 強引に上にズラすと、未発達だがそれなりの膨らみがある乳房が露出する 先程は触っただけで泣きそうになって抵抗していたけど、もう逃がさない 「やっ…あっ!」 「ふふ…感じてるのぉ?」 右手で左胸を弄りながら、右の乳首を口に含む 受けたことのないであろう刺激に、蒼星石の体が小刻みに震えた 「んむ…自分で触った事は?」 「あるわけ…ないじゃないですか…あっ…やっ…」 普段の彼女からは、想像もできない可愛らしい声 もう少し堪能していたいけど、ここは学校。いつ誰が来てもおかしくない ならば今は楽しむより手っ取り早く終わらせよう そう考え、スカートに右手を入れ、パンツ越しに割れ目に触れた 「せ、先生っ!!そこはっ…ぁ!」 ビクッと体を反らせ、足を固く閉じて抵抗する 胸への愛撫をやめ股の間に移動し、無理矢理足を開かせた 「やめてっ…下さい…」 ブラと同じ色のパンツが、一部だけ僅かに変色している 「濡れてるじゃない…淫乱ねぇ…」 そう言われ顔を真っ赤にする蒼星石 この程度の濡れ、触られれば普通になるのだが、そうとう恥ずかしかったのだろう…両目が涙で潤んでいた パンツを脱がせると、そういう処理はしているのか、 薄く整えられた毛と湿り気を帯びた秘部が露わになった 「ふふ…可愛いわぁ」 「あっ!…ひぅ!!やぁっ…汚いです…やだぁっ…!」 外側から両手をまわしフトモモをがっちりと掴み、その入り口に吸い付く 無闇やたらに挿入したがるのは男性の欲望 女性としては、中より入り口付近を弄られて感じる方が多い 特にこのような…何も受け入れた事のない処女となれば尚更 「やぁ…あぁっ…!」 案の定、かなり濡れてきた 溢れる愛液は一滴も残さず舐め取る …スカートが邪魔で表情が見えないのが唯一の不満だが、大きくなる喘ぎ声が感じてる事をわからせてくれる 「やっ…やめっ…てぇ…!!」 トドメとばかりに舌を少しだけ挿入し、指でクリトリスを摘み上げた 「あっ…ひぅぅっ!!」 膣内が強張り、体がビクビクと痙攣を起こす 絶頂を迎えた…そう理解した私は口を離し、蒼星石の苦悶の表情を見て満足感に浸った 荒い息を整える…が乱された服を着る気力はないようで寝転んだまま絶頂の余韻に浸っているのだろう… そんな彼女の姿を、私は携帯のカメラに収めた 独特のシャッター音が、静かな教室に響く 蒼星石が驚いた様子で飛び上がった 「何…してるんですか…!」 「撮ってるんだけどぉ?」 「やめてください!!やだっ…いやだっ…!」 顔を向けてくれるなら好都合 一枚だけの予定だったが、何度もシャッターを押した 顔を隠したり制服で肌を隠したり…それも全て、携帯に収納する 「これでもう…逃がさないわぁ…ムダな抵抗はやめて、これからの学校生活楽しんでねぇ」 「………」 そういうセリフを吐いて、私は教室を後にした さて、これからどうやってイジメてあげようか… 考えだすと、胸の高鳴りが止まらない ―†―†―†―†―†― 外はだいぶ暗くなった 明かりを消している教室は、近くの物がようやく見える程度だ 脱がされた下着を履き、乱された制服を着直す ──何で一線を越える前に、殴り飛ばしてでも抵抗しなかったんだろう── 悪い癖だ…どうにもならない後悔… バスケでもそうだ…負けた試合をグチグチ言っても始まらない… もう…従うしかない… さっさと帰ろう 楽しい事を考えよう 翠星石が何か美味しい夕食を作ってくれてるかも知れない… そうだよ…嫌な事ばかりじゃない… 嫌…な… 「うっ…うぅ…」 帰り道 降り出す雨 それに流されるように 涙が…止まらなくなった── つづく 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/mayshared/pages/1187.html
・・・・・・ 目が覚めると平らな石の祭壇に寝そべっていた。 その部屋は全体が石造りの旧い建築であることを匂わせ、なぜか俺が寝そべる祭壇の対面にもう一つ祭壇が置いてある。部屋の両端に祭壇がある形だ。 どういうわけか部屋から出入りするための扉はどこにも見当たらない。窓らしき穴はあるが、恐ろしいことに宇宙空間が見えてしまっている。 「……夢だな、これ」 まだ目は覚めていなかったようだ。 石造りの硬い寝床だが仕方ない。もう一度眠って目が覚めるのを待とう。夢の中で寝れば目が覚めると聞いたことがある。少なくともこんな珍奇な空間に目を通さずに済むだろう。 ……しかし夢なのに感触があるってなんか変じゃないだろうか、別にどうでもいいことだが。 「寝よう」 「寝るなこのド阿呆!」 眠ろうとしたところを、突然の罵声とともに祭壇から蹴り落とされた。やはり蹴られた痛みと落ちた痛みはしっかりと感じてしまう。リアルな夢だ。 まぁ、それは置いといて。 「何しやがる……あ?」 俺は立ち上がり、俺を蹴り落としてくれた奴を見る。 仁王立ちで俺を睨みつけるそいつはこの十日の間恐ろしく見覚えのある顔だったが、同時に見覚えのない顔だった。 「…………ウォフ、か?」 思わず疑問文で口にする。 そいつの顔の造詣はどう見てもウォフだった。しかし同時にウォフとの相違点が多かった。 まず肌の色。ウォフが色白だったのに反して、そいつの色は深い褐色だった。 次に眼帯。ウォフの顔に掛かっていたあの黒い眼帯がそいつの顔には掛かっていない。それに衣装もフリフリのドレスやメイド服ではなく、南国の布のような服だ。 そして右腕。機械だったウォフの右腕と異なり、そいつの右腕は生身(というのも変かもしれないが)だった。だからと言って左腕が機械な訳でもない。 総評。こいつはウォフではない。ウォフもどきだ。 まぁ、それはそれとして。 「でいッ」 「きゃんっ!?」 とりあえず一発ぶん殴った。 夢の中だからか、そいつが軽いからかは知らないが冗談のように吹っ飛んで反対の祭壇まで転がっていく。 そのままピクリとも動かない。 「……死んだか」 「死なんわ!!」 そいつは吹っ飛ばされたときの倍のスピードでリターンしてきた。 しかもドロップキックで、だ。 今度は俺が祭壇まで吹っ飛ばされた。 「……ッ! テメェ……」 「睨むな! 今のはどう考えてもいきなり殴ったお前が悪いんだぞ!! 私のは正当な仕返しだ!」 「お前が先に蹴り落としたじゃねえか!」 「あんなもの攻撃のうちに入らんわ! 人に呼ばれておいていきなり寝るお前が悪い!」 ……呼ばれて? 「おい、この珍奇な部屋に俺を呼んだのはお前なのか?」 「珍奇とか言うな! 私の住処だぞ!」 「そうか。住人含めて珍奇なんだな」 「……捻り潰してやろうか?」 そいつはそう言うと、言葉通り文字通りに変形を始めた。 ウォフがそうだったように弾機と発条と歯車と螺子に分解され……人の姿よりも巨大な姿に再構成される。 ただし、それは右腕だけだった。 ウォフ・マナフの右腕だけがそこにあった。まるでウィトルウィウスとの戦いの時のように。 「お前……!」 『フハハハハ! ようやく理解したかこの戯けが!』 満足したのか、右腕は元のウォフもどきの姿に戻った。 そしてふんぞり返って俺を見下している。……ウォフと同じ顔な分、余計にむかつく。 なので。 「フッフッフ、そうとも! へっぽこなお前とのろまなあれが巨人モドキに苦戦しているのを助けたのは私だ! さあ崇めろ! 奉れ! 土下座しあたたたたたたたた!?」 人体破壊作法を両腕同時に極めた。 「お、お前な!? こんなことして只で済むとぎゃーーーー!?」 ついでに背骨。 弾機と発条と歯車と螺子で出来てても人体破壊作法極められるくらいには人体構造に近いんだな、などと考えながら俺は技を掛ける。 人体破壊作法はそれから都合一分半、ウォフもどきが泣いてギブアップするまで続いた。 「痛いよう痛いよう……うぅ、女に手を上げると罰が当たるぞ」 「人を二度も足蹴にする女相手にフェミニストやるほどお人好しでも善人でもねえよ。で、お前が俺をこの珍奇部屋に呼んだわけか?」 「珍奇言うな! ……ああ、そうだ! 私がお前をこの空間に呼んだ! お前が寝こけていたようだからな。お前と話す丁度いい機会だと思ってこの精神世界に呼び寄せた。銃弾を撃ち込んでくれた礼もしたかったしな!」 ……どうやらあれを根に持っていたらしい。 それとあのときのウォフ・マナフはこいつが動かしていたことが確定した。 「お前はウォフ・マナフの右腕なのか?」 「右腕などとは呼ぶな。これでも名はある」 「へぇ、名前は?」 「訳あって正式名称は名乗れん。ゆえに悪心と名乗らせてもらおう」 「……永劫機にも中二病ってあんのか」 「おい、お前また失礼なこと考えてないか? 悪心という名にはちゃんと意味があるんだぞ」 「ウォフの『中』の悪い心ってことか? いわゆる多重人格なのか、お前は」 「違うな。ウォフ・マナフの『外』の悪い心だ。混ざり合うのは私達の名の由来たる対立神の定義に反する。とは言っても、私があれの右腕として間借りし、あれの支配下にあるのもまた事実。遺憾だ」 「対立神、ねぇ」 ……逆立ちしても神様ってほど大したもんじゃねえだろ。あいつは。 ただそれでも悪心が何を言いたいのかは実のところ中二病云々ではなくちゃんと理解できている。 ウォフ・マナフはゾロアスター教の神の名前で、裁きの神にして善心の神の名だ。 そしてゾロアスター教は、善悪の対立構造を主題とする宗教。当然、善心の神の対極である悪心の神も定義されている。 恐らくは、ウォフもこいつもそこから名づけられているんだろう。 そうするとわざわざ名乗ってもらわんでもこいつの正式名称は丸分かりなんだが、まぁ言うのも無粋か。 しかし、対立構造ね。 「ところでウォフは瑪瑙で出来てるわけだが、お前も瑪瑙製なんだよな? 右腕なんだし」 「うむ。知っているか? 瑪瑙という名は馬の脳に似ていることから名づけられたそうだ。脳の宝石とは私達の力に似合いだとは思わんか?」 「なるほど」 時間感覚を狂わす力と、脳に類似した宝石。 さらに言えば右脳と左脳の対立。 六時が表す長針と短針の対立。 ウォフ・マナフと悪心の対立。 須らく相似系。偶然なのか狙ったのかはわからんがよく出来ている。 「永劫機は超科学だけでなく魔術的な要素も大なり小なり絡む。因果関係を絡ませてこじつけて多少なりとも能力を上げようとしたとも考えられるな。特に私達を作った開発チームは変わり者だから十分ありえる」 「変わり者?」 「私達の思想的な意味ではない方の対立構造もその一つだ。善と悪は対立し続ける。悪がなければ善はなく、逆様に言えば悪があれば善もある。どちらかが壊れても、もう一方が無事なら他のパーツ同様に修復できる」 「だから胴体の、ウォフの時計を壊されても直ったってわけか」 「もっとも、それらにキャパシティを取られているせいで二つも時計を積んでいる割に時間操作の力は他の姉妹に引けを取る形になっているがな」 ……|時感狂化《マッドタイム》だと厳密には時間操ってないしな。 「同じ開発チームの他の永劫機だと、機体自体のステータスをとことんアンバランスにしたり、時間消費が分からない仕様になっていたりと……何にしても無茶をやらなきゃ気がすまないのが私達の開発チームだったな」 俺の苦労の大本はそいつらか。どうせならもっとまともに強い機体として創ってくれれば……ん? 「……時間消費?」 「私達が消費する契約者の時間の目盛りだ。これがわからないと中々不便だが、安心しろ私達はちゃんとそれが把握できている」 「初耳だぞ」 「大した問題はないだろう。把握できているのだからこれからはちゃんと」 「時間を消費ってのはどういうことだ?」 「…………」 悪心が信じられないという顔で俺の顔を見る。 やがて恐る恐る、俺に俺が知らなかったことを尋ねてくる。 「……おい、まさか、言ってなかったのか? あのたわけは」 「初耳だ」 「…………馬鹿かあれは。馬鹿だなあれは。よりにもよって……それは愚かという言葉ですら片付かん、戯けだ」 どうやら俺がそれを知らないというのは相当重要な問題だったようだ。 「……わかった契約者。私が話そう。一から十まで教える」 悪心という肩書きの割には世話焼きらしい。 「我々永劫機は例外なく、――使用者の時間を食って動く」 悪心は言葉の意味を一つ一つ理解させるように話す。 「食う、ってのは?」 「文字通り、時間を食う。何の時間を食い、消費するのかは永劫機毎に異なる。寿命を削るもの、体年齢を進ませるもの……様々な時間の消費方法があるが私とあれは『活動時間』を食う」 「活動時間?」 「お前の起きている時間だ。相手の時間感覚を狂わせる私とあれの消費するものとしては適当だろう?」 相手の時間感覚を狂わせ、強制的に相手の活動時間を無為化する時感狂化。だからこそ、その代償も契約者の活動時間ってわけか。 「当たり前だが、使う力が増すほど消費する時間も多くなる」 「そうか。一回時計を壊された後で力が上がったのは消費する時間を増やしたからか」 ここに来る前の異常な眠さは使った分を支払わされたって訳だ。 「増やした……か。少し違うぞ、契約者。私は、ウォフ・マナフの標準値の力しか使っていない」 「?」 「胸の時計、ウォフ・マナフの中枢時計が壊されただろう? あの後、奴が修復して目を覚ますまでは私が全ての制御を代行していた。私は、ウォフ・マナフが本来出せる標準値の力を使っていただけだ」 「なら今までの笑えるほど弱かったウォフ・マナフは?」 「あれが自分でパワーを抑えていたのだろう」 わざわざそんなことをしていた理由は……。 「俺の時間を消費しないためか……」 「だろうな。消費するのが活動時間と言っても、消費しすぎれば待っている結末は悲惨だ。死ぬまで眠ることになる」 「……そりゃ悲惨だ」 「しかしそれでも、あれは戯けだ。どうしようもない戯けだ」 悪心は深く息を吐き出し、心の底からと思われる声を吐露する。 「力を制限して……それで契約者を死なせては元も子もないだろうが……!」 ふと、俺はウォフがこの三日間、何を悩んでいたのか分かった気がした。 ウォフはこのことを悩んでいたんだろう。 力の制限をやめて、力を取り戻して俺達を襲う敵と戦うか。 力を制限し続けて、俺の時間を削らないようにするか。 悩み続けて、それでも答えが出ないままダ・ヴィンチとの戦いになり、時計を壊され、悪心に制御が移り、俺の時間を消費して、勝った。 だからそれを知ったあのときにウォフは泣きながらあんなことを言ったんだろう。 『ごめん、なさい…………』 「……やっぱポンコツでバカで阿呆でしょうがねえな、あいつは」 つくづく、呆れる。むかつく。 「一遍言ってやらねえと、な」 そうと決まれば、寝てなどいられねえんだが。 「なぁ悪心、時間消費がわかるつったよな?」 「何を聞きたいのかはわかるぞ。あの戦闘で私が消費した時間は戦闘時間が短かったこともあって数日分。何もしなくても何日か経てば自然と目が覚める程度だった」 「何もしなくても、ってことは何かすればもっと早く目が覚めるのか? それに『だった』ってことはもう短くなってるのか?」 「人間かラルヴァかを殺して時間を奪えばいい。それを自らが消費する時間の代わりにできる」 時間を奪って代わりに、ね。 そりゃ戦う度に操縦者が寝たり死んだりしてたらしょうがねえからな。当然っちゃあ当然のシステムではある、が。 「…待った、俺はダ・ヴィンチを殺してないしラルヴァでもそんな覚えはないぞ」 「お前の消費した時間を軽減したのは前の貯金だ。十日前のな」 十日前、俺とウォフが初めてあった日。あの日は……。 「あのゴーレム使いか」 「そう、あの人間の時間だ。と言ってもあれが出力を抑えていたとはいえ、数度の戦闘と今回の私の戦闘で貯金はもう使いきった。どうするんだ?」 「どうするんだと言われてもな」 もう戦わないか、また他者を害するか、次は自分の身を削るか、あるいは他の何かをしなければならない。しかし今はそんなことより、 「とりあえずウォフの奴に二言三言言ってやりたい気分だ」 「……それもいいだろう。じきに目も覚める。ほら」 悪心が部屋の壁の一角を指さす。するとそこに今まではなかった扉が備えつけられていた。 「あの扉から外に出ればお前は目覚める」 「そうか……色々ありがとな、悪心」 「な、なに?」 俺が礼を言うのがそんなに意外だったのか、悪心は動揺していた。 「永劫機について知っておかなきゃならないことを教えてもらった。それにウィトルウィウスとの戦いでも助けてもらった形になるからな。やっぱ感謝はするべきだろう?」 「……そ、そうとも! 感謝しろ! 参拝しろ! お百度参りだ!」 「そこまではしねえよ」 つうかどこに参ればいいんだ。ここの祭壇か? 「んじゃ、起きるかな」 「そうか。あの戯けはキチンと叱りつけておけ」 悪心は祭壇に腰掛けたままひらひらと手を振る。 「そういやお前はここから出れねえのか?」 「今は出れん」 「それだと退屈そうだな」 「……そうでもない。そこの窓から色々なものが見れるようになっているからな、退屈などしないさ」 宇宙空間とか見えてるしなぁ……。 「ま、いいか。それじゃ近いうちにこっちに招待してくれや」 「……なに?」 悪心は不思議そうに首を傾げる。 「お前にはまだ聞きたいことがあるしな。それに言っただろう?」 あのウィトルウィウスとの戦いで。 「『お前も含めて俺のもんだ』。だから俺が会いたいときに会いにくるぜ?」 「――――」 「んじゃ、起きるとするぜ。またな」 「……また、な」 そうして俺は扉を開け、現実へと帰還した。 ・・・・・・・・・・ 扉を開けるのと、瞼を開けるのは同時だったように思う。 目を覚ますと俺は見知らぬ天井を見上げていた。 「…………」 一先ず記憶の確認。夢……ではなくあの珍奇な精神世界でのことは起きているときの出来事と同様にしっかりと覚えている。 次に現実の自分の状況を確認。周りを見回すと、そこがどこかの喫茶店の中であることは分かった。カウンターの中では店主らしい男がコーヒーの豆を挽いており、客らしき人影もいくつか見える。その内の一人は見覚えがあった。俺と一緒に攫われたあの少女だ。 上体を起こして気づいたが、どうやら俺は店内の長椅子の上に寝かされていたらしい。 それにしても、店の雰囲気が奇妙に旧い。ほんの十年の歴史しかない街のはずなのに店内のインテリアのデザインは六十、七十年代のそれだ。店主の趣味か? 「お、目が覚めたのか」 店内にいたうちの一人が俺の起床に気づいて寄ってきた。 日本人の顔立ちの若さから逆算して、大体俺より少し上くらいの男。多少整った顔立ちをしているものの、妙にバカそうな表情がそれを帳消しにして余りある。 「いくら揺さぶっても起きないから心配したんだぜ? 連れのお嬢ちゃんは泣きっぱなしだったしな。あ、俺の名前は真崎春人、ここは喫茶アミーガであの人が店主のおやっさんだ。それと」 「はじめまして」 店内には俺を除いて四人の人間がいた。真崎某、店主、少女。そして最後の一人。 俺よりは年上だろうが、若い女性だ。美人とも言える。 ただし彼女から受ける印象はそういう単純なものだけではなく、もっと複雑な……シンパシーとでも言うべきものを感じる。 「安達遊衣よ。今日は娘が助けてもらったみたいね」 「……ラスカルだ」 娘……というのはこの少女のことだろう。少女の年齢と彼女の年齢の計算が少し合わない気がする。夫のほうが犯罪的な嗜好の持ち主だったのか? 「一つ訂正させてもらうと助けたんじゃなくて単に俺が狙われてそれに巻き込まれただけだ」 「それでもこうして無事だったんだから、お礼の一つも言わせて」 「…………」 どうにもむずかゆく居心地が悪い。それは単に礼を言われるべきでないところで礼を言われただけでなく、奇妙な違和感がここにあるからだ。 「……ところで、俺の連れがどこにいるか知らないか?」 今の俺の手元に瑪瑙懐中時計はないし、動いているらしいことは感覚で伝わってくる。なら、ウォフは人間の姿でどこかにいるんだろう。 「そうね、ちょっとあの子のことであなたに話さなきゃいけないことがあるの」 ……? 「調子悪くして倒れでもしたのか?」 言ってから、ありえないと否定する。調子が悪いなら人間形態ではなく懐中時計になっているはずだ。 「似たようなもの、ね……。ついて来てもらえるかしら。凛、ちょっとここで待っててね」 「うん! でもママ、浮気はしちゃ駄目よ」 少女の子供らしくない(ある意味子供らしいストレートな)注意に真崎某が色めき立つ。 「浮気!? おいお前! 遊衣さんに手を出したらただじゃおかないからな!」 「誰が出すか」 「俺!」 「…………」 第一印象通りのバカだったらしい。 そんな掛け合いをしているうちに彼女はもう店から出ていた。バカの真崎某は放っておいて俺も喫茶店を後にする。 店の外はもう夕暮れだった。地下演習場に連れて行かれたのが昼前で、それから戦いに掛かった時間などを計算しても楽々四、五時間は経っている計算になる。 「……時間の消費、か」 悪心が言っていた数日分よりは随分と少なくなっている。国に帰ったらあのゴーレム使いにも墓くらい作ってもいいかもしれない。 と、俺が考えている間に彼女はまた先に行ってしまっている。……少しは待ってくれていてもいいんじゃねえか。 そんなに早く向かわなきゃならないのか。 あるいは、早くここから離れなきゃならないのか。 「…………」 どちらにしても着いて行くしかなかった。 この街の外周部にあったらしいあの喫茶店から十分ほど歩くと、街を囲む東京湾と接する海岸に辿りついた。 十年前までは近代都市の港湾として平均的な、有り体に言えば汚染された水質だった東京湾は、この双葉区の建設と共に行われた東京湾浄化計画によってリゾート地と遜色ない美しさとなっているとは聞いていた。 その情報は正しく、車に乗って眺めているだけでは分からなかったがこうして海岸に下りればはっきりとその清浄さが分かる。 それで、わざわざこんな場所まで連れてきて何の話をするのか。 俺は彼女の言葉を待つ。 彼女の第一声は 「私も、永劫機の契約者よ」 俺が予想していたものの一つだった。 ああ、やっぱりか。というのが俺の感想だった。 驚きはしたがこの街に他の永劫機がいることは分かっていたし納得もした。初対面のときから感じていたシンパシーはそれだったのだ、と。 「それと……この子達を生み出した計画に所属していた人間でもあるわ」 彼女はそう言うと瑠璃で造られた懐中時計を取り出す。 その瑠璃懐中時計は見慣れた過程を経て、人の形に変わる。 黒服を纏った黒髪黒瞳の美女。しかし、その衣服の端々の意匠もまたウォフの服によく似ていた。 「はじめまして……。永劫機午前五時の天使、ロスヴァイセです」 自分以外の契約者とウォフ以外の永劫機との初対面、か。 「……それで、ウォフについて話さなきゃならないことってのは何だ?」 恐らくだが、話があるというのは嘘じゃないだろう。ウォフがまだ無事に生きているのは感じる。これで俺達を害するつもりなら俺が寝ている間にいくらでも出来たはずだ。 「永劫機を作った組織の人間だって言ったな? あいつを回収に来たのか?」 「いいえ……。永劫機開発計画自体はもう終わっているの。だから私がそのメンバーとしてウォフ・マナフを回収することはないわ」 ……なるほどな。センドメイルばかりであいつの開発者が襲ってこないと思えば、もう潰れてたってことか。 これで想定してた敵のほとんどは消えたことになるな。 「けれど、場合によってはこの世界に散らばった永劫機は全て回収するつもりよ。……私個人として、ね」 ……何? 「もしも永劫機を悪用しようとする人間が……強い力を持つ永劫機を野望の道具としか考えない人間の手に渡っていたなら私はあの子達を取り戻すわ」 親心か、もしくは正義感か。 どっちにしてもそれは俺と相性が悪い。 「……なら、ウォフを取り戻すってことか」 この、悪党《ラスカル》の魔の手から。 「いいえ?」 ……………………。 「いやいやいやいや、ちょっと待て。何で『どうしてそんなこと聞くのかしら?』みたいな顔してんだ。今の話の流れだとどう考えても俺から取り戻すって流れだったろうが!」 「あら? 取り戻して欲しかったの?」 「んなわけあるか! だがよ、俺は悪党だぞ? ウォフにもう会ってるなら、俺がどういう人間でどういう経緯と目的でウォフを手に入れたか知ってるんじゃねえのか?」 武器商人で、金で買って、兵器として量産するつもりだった。 思い返すと自分でも非の打ち所がないほどにクロだった。 「そうね。たしかにそれだけなら、私はあの子を取り戻すためにあなたと戦ったわ」 「だったら」 「私達がトンネルの中であなた達を見つけたとき……あの子が何て言ったと思う?」 「……何て言ったんだ?」 「『私はどうなってもいいですから、御主人様を助けてください』。代償で眠りに落ちたあなたを抱きかかえて、泣きながらそう懇願したの」 「…………」 「永劫機はね、好きじゃない契約者のためにそんな言葉は絶対言わないわ。あの子は本心からあなたを助けたいと思っていた」 「…………」 「だから、あなたとあの子の絆を断ち切ることはしないわ」 「……あいつはどこに?」 彼女は砂浜の向こうを指さした。 「迎えにいってあげて。……あの子も今回の件で傷ついているはずだから」 「あー、随分ボロボロにやられてたしな」 「ラスカル君?」 「冗談だっての、笑顔で睨まねえでくれ。……んじゃ、迎えにいってやるかな。と、そうだ」 俺は胸のポケットに入っていた名刺ケースを取り出し、万年筆で名刺の裏面に俺の携帯電話の番号をメモして彼女に渡した。 今回の騒動の件でまた学園側からあれこれ聞かれると面倒なので、退出許可は出てないがウォフと合流したらすぐに学園を出る。だからこれは今のうちに渡しておくべきだろう。 「これは?」 「俺の連絡先だ。永劫機の契約者同士、ちったぁ連絡取り合う手段があってもいいしな。それと必要ならうちの会社の武器を用立てしてやるよ。なんかの役には立つだろ」 「そうね。なら私の番号も伝えておいたほうがいいかしら?」 「こっちから聞きたいことができるかもしれねえしな。あ、そういや一個聞いときたいことがあった」 「なにかしら」 俺はウォフに初めて出会ってから抱いていた疑問の一つを彼女に問うた。 「あの妙に装飾過多で微妙趣味なゴスロリデザインしたのどこのどいつよ?」 「…………」 なぜか笑顔のまま無言でぶっ飛ばされた。 砂に靴底を沈めながら海岸を海に沿って歩く。西に顔を向ければ海を挟んだ先の街並みに夕日が沈みかけている、じきに夜になりそうだ。 俺の国では見慣れない光景を背景に海岸線を進むと、夕日の色と砂の色に混じって人の形の影が砂浜の上にポツリと落ちていた。誰のものかは言うまでもない。 「潮風浴びたら錆びるぞ、ポンコツ」 俺が声をかけるとウォフは驚いたように、怯えたように小さく肩を震わせた。 「御主人……さま」 「夕日を眺めて黄昏れでもしてたのか? らしくねえな」 「…………」 ウォフは避けるように俺から視線を逸らす。前ならむかついてお仕置きの一つもしたところだが、悪心の話を聞いた後なら逸らした理由も分かる。 「俺の時間を食ったのがそんなに後ろめたいか?」 「! 御主人様、どうして!?」 「ある奴から聞いた。永劫機は戦うたびに契約者の時間を食うってな」 「遊衣さんから、聞いたんですね……」 なんか勘違いしている。 しかしそれを指摘する間もなく、俺が永劫機の秘密を知っているとわかったからかウォフは俺と視線を合わせる。 ウォフは何かの覚悟を決めた顔をしていた。 「御主人様……。私は、三つ……嘘をついていました」 「へえ?」 三つ、か。 「一つ目はもうご存知ですが、永劫機の仕組みです。契約者の時間を消費する、あるいは生物を殺して時間を奪って戦う。どうしたって壊すことしか、奪うことしかできない。どうしたって終わらせてしまう壊れた理屈の機械。それが……永劫機です」 最終的には誰にも益をもたらさずマイナスしか残さない。あるいは、ゼロ。 それが永劫機なのだとウォフは言う。 「ま、それはもう知ってることだ。二つ目は?」 「御主人様との契約は……事故じゃないんです」 ……何? 「私の、意志でした」 「…………」 俺は言葉を無くした。 俺とウォフが契約したあの唐突すぎた出来事が事故でなく、ウォフ自身の意図によるものだった? 「本来なら、永劫機は契約者の合意がなければ契約できません。けれど私は……壊れてますから。契約者の合意無しに一方的に契約を結ぶことが出来ます。だから私は……、契約しました」 なぜ? そう、なぜだ。 なぜウォフは俺と契約を交わしたのか。それがわからない。 しかしウォフはその理由を語らず、三つ目の嘘を口にした。 「三つ目は、私がいつでも力を得ることが出来たことです。力を……取り戻せることをずっと黙っていたことです」 「……お前が時間の消費を抑えていたからか」 ようやく二つ目の嘘の困惑から回復し、言葉を口にした。 「はい。本来の出力よりも低い出力に抑えることで、御主人様の消費する時間を減少させてました」 「それは俺のためか?」 「……いいえ。私のためです。御主人様のところにいたかったから、ウォフ・マナフという道具のデメリットがばれないようにしていたんです。ただの、弱いけれどただの道具として扱われるために」 「…………」 思い出されるのは三日前の夜。リムジンの車中に現れたラルヴァの残した言葉。 『一つ、他人が言ったことを鵜呑みにしちゃいけません。相手が嘘偽りを交えて話してる可能性も考えましょう』 それはつまりは、ウォフの三つの嘘のこと。 「御主人様が力を得るために手を尽くしたことは知ってました。アルフレドさんとの戦いで力を抑えたままじゃ絶対に御主人様を守れないことも分かっていました。だけど私は、それを何とかできる力が自分にあるのに、御主人様にそれを伝えることさえ悩んで、結局出来なくて……。私は……」 ウォフの目からポロポロと、涙がこぼれる。 機械であるはずのウォフから……。 「滑稽、ですよね……。私は道具なのに……、怯えてたんです。御主人様に私の嘘が知られて、見放されるのが怖かったんです。そのままじゃ、御主人様の命が危ないのも分かってたのに……自分が嫌われたくないから、何も言えなかった」 「……ウォフ」 「御主人様の、言葉のとおりだったんです」 ウォフの声が震え、声がかすれる。 「私は、疫病神。あなたを勝手に巻き込んだくせに、力以外渡せない。力しか渡せるものがないのに、力を渡せば、あなたから時間を奪ってしまう。そうすることさえ躊躇って、あなたの命を危険に晒す……どうしようもない壊れ物」 「どうしようもない……壊物機《永劫機》」 「…………」 「御主人様、こんな私のことはここに捨てていってください。こんなガラクタ同然の私でも、この潮風は錆びつかせて本当のガラクタにしてくれるかもしれません」 ウォフは言うべきこと、言い残したいことを全て言ってしまったのか俺に背を向けてまた海へと顔を向ける。 俺は、ウォフの言葉を聞き終えてどう言葉を返すべきか迷った。 あいつの嘘、自分の考え、悪心との会話、永劫機という存在、これからのこと。それら全てがぐちゃぐちゃとしたまま頭の中を駆け回り、結局は何も言うことが出来ない。 何も言葉を口にすることが出来ない俺は――――無言のままウォフを担ぎ上げた。 「きゃっ!?」 ウォフの軽い身体を担ぐ形から背負う形になおして、二人分に増えた重さで砂浜に足を沈めながら、帰路を歩く。 「御主人様っ! どうする気ですか!?」 「帰る」 「帰るって……。私は、あなたに災いを振りまく疫病神ですよ!」 「知ってる」 ほとんど脊髄反射のように、ウォフの言葉に応える。 「まともに主人に尽くすことも出来ない、主人にいくつも嘘をついた道具です!」 「知ってるよ」 ただ知ってるから、知ってると言う。考えるまでもない言葉。 「欠陥だらけの、……どうしようもない壊れ物です!」 「知ってるっての」 そんな問答をしているうちに、俺の頭はかけるべき唯一の言葉《本心》を自分の中から見つけ出した。 ああ、まったく。話はこんなに単純で最初からわかりきってるじゃねえか。 「だったらお前はこのことを知ってるか?」 「何を……」 「永劫機ウォフ・マナフはポンコツで、スタイルが悪くて、服装も変で、たまに生意気で、本当にどうしようもない……」 「俺の相棒だ」 「……………………ぁ」 ウォフは俺の相棒。そんなものは出会ったその日に決めたことで、覆した覚えなんて一度もない。 だから、それがウォフの嘘に返す俺の唯一つの答え。 「始まりが嘘だっただの、秘密を黙ってただの、今日の戦いがどうだっただの……んなことくらいでお前を手放すか阿呆」 「…………」 ウォフの体に触れている背中を通じて、ウォフの体が小刻みに震えたのがわかった。 やがて、堪え切れなかったのか嗚咽がただ『泣く』という行為に変わっていた。 ウォフがなぜ泣いているのか。ウォフが今何を思っているのか。そんなのは俺にはっきりとわかることじゃない。 ただ、悲しいとは感じて欲しくないと、それだけ思った。 泣き止んだウォフを背負いながら俺は双葉区と本土を繋ぐ橋へと歩いていた。 歩くのは手間だったが、もうバスに乗りたいなんて気持ちは欠片も湧かないから仕方ない。 橋の警備は相手が一般人なら時間狂化でどうにかできるだろう。異能力者だったなら別の手で出ることを考えればいい。 そんな風にあまり深く考えず俺は歩を進めていた。 「御主人様、重くないですか?」 「時計より重くて俺より軽いな」 「当たり前です……」 別にもう背負う必要も無かったが、下ろすタイミングをなくしてしまった。 そうして歩いていてふと、一つ聞いていないことがあったと思い出した。 「なぁ、お前は何で俺を契約者に選んだんだ?」 「え。ええと、その……」 俺がウォフに尋ねると、ウォフは答えづらそうに言いよどんだ。 「あ、あの……怒ったり笑ったりしません、か?」 「しない」 たぶん。 「じゃあ言いますけど……。その、私達永劫機と契約できる素養がある人って少ないんですよ」 「それでか?」 「いえ、そうじゃないです……。開発チームから流れてマスカレード・センドメイルに拾われてからも素養がある人はいたんです。でも、どの人とも契約する気になれなくて……。ずっと反応がないふりをして過ごしてて……、そしたらある日盗まれて、御主人様のところに売られて」 ああ、あの日か。 「私を手に入れた御主人様は、まず私を磨いてくれましたよね。その手つきが優しくて……なんだか爽やかで……」 「……それが理由か?」 「ち、違います……、それもありますけど、…………顔が」 顔? 「御主人様の顔がすごく好みで……」 「顔かよ!!」 思わず大声でつっこんだ。 「お、怒らないって言ったのに」 「怒ってねえよ! 怒ってねえけど……あぁったく!」 もうどう反応していいかも分からない。俺が契約された理由がさして人より美形というわけでもないこの顔のせいだとは思わなかった。つうかなんだそれ。どう対応すりゃいいんだ。 お返し(と言うのも変だが)に少しいじわるな質問をする。 「じゃあウォフ。爽やかで優しそうな第一印象と顔で選んだけど実は真逆の悪党《ラスカル》だったお前の御主人様を今はどう思ってるんだ?」 「そんなの決まってます……」 「この世界で、一番大好きですっ♪」 「…………」 ほんと、どう対応すりゃいいんだろうか。 つうかひょっとして告白なんだろうか。 「お、お返事は?」 告白だった。 「時計より好きで俺よりは嫌いだな」 「結局どこに入るんですか!?」 俺とウォフが出会ってから十日、俺達の最初の物語はこうして幕を閉じた。 壊れた悪党と壊れかけた嘘つきは出会い、相棒になった。 これが、最初の物語。 まだ先へと続く第一歩。 この先にはまだ無数の物語が待つ。 双葉学園、永劫機、悪心、ナイトヘッド、この後の物語のキーワードは始まりの物語の中でさえ散りばめられていた。 そして、俺達の知らない場所で動き始めた物語もあった。 それを俺が知るのはその物語が終わってからのことだった。 壊物機 第三話 了 ・・・・・・ ・OTHER NOTES 2009年某月某日 作戦概要 合衆国は太平洋上の無名島に建設された秘密研究所及び当該研究所で開発されていた兵器の鎮圧作戦を開始。 作戦名『ブレイクエッグ』 上陸戦力は合衆国第八異能力者部隊『シヴ』、第九異能力者部隊『パリンクロン』、フリーランサー『魂売り《ソウルバイヤー》』、『ウィル&ジャン』。 海上戦力として航空母艦『アーノルド』を中心とした分艦隊を配置。 想定される敵戦力は機械化重装ラルヴァ・通称『マシンモンスター』個体数不明、研究所の防御システム、フリーランサー『アルフレド』、『アインハンダー』。 最重要目的は当該研究所所長『リリー・E・サラディン』の暗殺及び開発中の巨大機械化重装ラルヴァ『Ⅹ』の起動前破壊、関連データの抹消。 作戦終了 『リリー・E《エラー》・サラディン』の暗殺に成功。関連データの抹消に成功。 ただし上陸戦力は『シヴ』と『パリンクロン』の生存者を残し壊滅。 敵戦力は『マシンモンスター』壊滅。『アルフレド』逃亡、『アインハンダー』生死不明。 追記事項 当該研究所にてワンオフナンバーⅩⅩⅦ『至天ノ道筋《シルクロード》』出現。 作戦目標『Ⅹ』起動確認。 これより海上戦力による二体の殲滅を目的とした第二次作戦を決行する。 事後記録 航空母艦『アーノルド』――轟沈 僚艦――全滅(全艦船轟沈) 死者数――二千六百七十二人 三日後に救出された生存者の証言から、被害は『至天ノ道筋《シルクロード》』ではなく『Ⅹ』一体による被害と判明。 二週間後、認定機関は『Ⅹ』をワンオフと認定することが決定。 研究所に残されていた研究者の日記から『Ⅹ』の名称が判明。 以後『Ⅹ』は『怪獣兵器《メルカバ》』を正式名称とし、合衆国最上級敵対目標の一つに指定。 『怪獣兵器《メルカバ》』の現在地――不明。